2011年9月1日木曜日

イエスから観た3人の女性たち-3

それでは、マグダラのマリアとはどんな女性だったのでしょうか。

今まで、キリスト教では、貫通罪により石打の刑に処せられるところをイエスに助けられた女性がマグダラのマリアであるということになっています。しかしこの女性がマグダラのマリアであるとは聖書のどこにも記載されてはいないのです。長いこと彼女は「娼婦」であると解釈されてきたのですが、それは誤りであることをバチカンも1969年に認めています。


聖書では、マグダラのマリアは、イエスに「七つの悪霊を追い出された」ことでイエスの弟子となり、十字架後のイエスの霊的復活を最初に目撃した人と伝えられています。

結論から申しますと、マグダラのマリアは、イエスの心情を理解できる良き弟子であり、またそれ以上に良きパートナーとしての後継者的存在であるのです。聖書外典には、それらの証拠となる記述が多数記載されています。

イエスが処刑される時、男性の弟子たちは全てイエスのもとから去って行きましたが、母マリアとマグダラのマリアは、イエスを見守るようにイエスの傍に居りました。男性の弟子たちから見れば、マグダラのマリアは、当時の男尊女卑的時代には生意気で受け入れられ難い存在であり、聖書外典には、一番弟子と云われるペテロがマグダラのマリアを拒否する発言が多く記載されているのです。ですからペテロを初代教皇とするバチカンには、マグダラのマリアに対する誤解が根底にあっても不思議ではないのです。

このようにしてマグダラのマリアに対する理解は殆ど封印されて来た2000年の歴史があるのです。それではマグダラのマリアの役割は本来どのようなことだったのでしょうか。

本来は、イエスの実父ザカリアの妻エリザベツとイエスの母マリアが一体連携した土台の上で、イエスと共に居たマグダラのマリアは、イエスが語る神の計画をエリザベツとマリアにいつも伝えるべき役割があったのですね。エリザベツとマリアはその神意を受けて、当時、複数に分かれていたユダヤ教徒や神官を神の計画に導いて行く役割があったのです。しかし、肝心なエリザベツはマリアとイエスを受け入れることが出来ず、当初からマグダラのマリアはその役割に立つことが出来なかったのですね。

イエスは、エリザベツとマリアがなすべきであったこれらの使命が失敗することで、それまでの預言者エリアの復活体である洗礼ヨハネとザカリアに従う全ての基盤を失う事になるのです。結局イエスは、何ら土台の無い神から遠い異邦人を集めて最後の公生涯3年期間を歩むことになるのです。これらの隠された事情については、残念ながらキリスト教の世界では言及されてはおりません。

 
エリザベツとマリアの失敗により、イエスは、神から最も遠い異邦人を従えながら自ら十字架の道を行かざるを得ない(人類の罪への責任を自らの責任として背負う)、血と汗と涙の茨の道を歩まざるを得なくなるのですね。これらの事情を知っていたのがマグダラのマリアであり、イエスの唯一の慰めの存在であったのです。

・・・続く

感謝合掌